フェルナンド・アロンソ……彼は最年少優勝や最年少完走を経験したあとに2005年2006年とミハエル・シューマッハを二年連続で撃破し、最強王者としてF1界に君臨した。

がしかし、彼の王権は長く続かなかった。

2007年突如現れたルイス・ハミルトン。満をじしてマクラーレンに移籍したアロンソを待っていたのはチームとチームメイトとの確執だった。チームは王者であるアロンソよりルーキーであるハミルトンを優先。その結果、アロンソは期待された三年連続タイトルを獲得出来なかった。


そして2008年。自尊心を傷つけられたアロンソが辿り着いたのは古巣であるルノーだった。しかしそこに待っていたのは厳しい戦いだった。開幕戦以降表彰台もなく、最高位は四位だった。そして運命のシンガポール。初開催、しかも夜間走行だ。しかし彼は怯まなかった。フリー走行でも首位を獲得し、久しぶりの表彰台を誰しもが期待した。が、予選はまさかのエンジンブロー。この時点ではアロンソが優勝するなんて誰も予想してなかったはずだ。だが彼はやり遂げた。予想15番手からの逆転優勝。運もあったとは言え、ペースもトップチームに近いものがあり王者復活をアピールした。


そして、今日の日本グランプリ。初日から好調で、予選も四位を獲得。決勝はシンガポールとは違い完璧なロングランペース。特に第二スティントは19秒台を並べるという速さ。そして戦略もかみ合って優勝。アロンソにとって通算21勝目。貧弱なマシンを150パーセントの力を引き出して走れる。それはアロンソだけだろう。


本当に凄いとしかいいようのない今日のレース。現役最強は間違いないでしょう。
ありがとう。アロンソ。あなたは私にとって永遠のヒーローです。